前回、開業資金について100万~130万ぐらい掛かると書きましたが、これだけでは開業するだけで経営することはできません。
経営するには、月々幾らといった固定、変動の経費が掛かります。
最低でも想定されるランニングコストの半年分ぐらいの余剰資金があればかなり余裕のあるサロン運営ができるでしょう。それ以下の場合は、かなり厳しいカツカツの経営をしなければなりません。
何は無くてもお金が無くなるのが一番心細くなるものです。
勢いで始める前に(そういう人が多いですが・・・)、自分の懐具合と相談してきっちりプランを立てて始めることが大事です。

◆ランニングコスト◆
サロンを運営するために必要不可欠な経費のことです。
以下に列挙するのは代表的な必要経費です。金額は概算なので多少の上下はありますが大体こんなものでしょう。

・家賃:80,000円
・光熱費(水道・電気代など):約12,000円
・消耗品(紙ショーツ、オイル代、ティッシュ、洗剤など):約10,000円
・通信費(電話代、インターネット):約15,000円
・宣伝費:約10,000円

合計:127,000円

セラピスト一人、ベッド一つのプライベートサロンのランニングコストは大体こんなもんでしょう。

家賃は、サロンそれぞれ異なりますがランニングコストの殆どを占める最大経費です。ある意味、家賃を払うためにサロンをやるという悲しい現実にならないよう頑張りましょうね。
家賃以外の経費は、不思議とサロンの規模に関係なく大体一定の額になるようです。高い家賃のサロンだから光熱費が高くなるとか、安い家賃のサロンだから消耗品費が低く抑えられるということはありません。
光熱費は、地域によって異なります。また、季節変動の影響も大きく、特に冬場の電気代は馬鹿になりません。電気代だけで1万円を超えることもあります。ガス代は、シャワーなどを使わなければ大した額になりませんが、建物(主に地方のアパートなど)がプロパンガス契約の場合、都市ガスの倍近い料金になるので物件選びの時は注意してください。上下水道費も大した額にはなりません。大体、基本料金の範囲内で収まります。
消耗品で大きなウェイトを占めるのがオイル代でしょう。特にセラピストさんのオイルに込める思い入れが強く、つい高額なオイルを選択しがちです。
通信費、宣伝費は、それに力を入れるか入れないかで大きく上下しますが、全く宣伝なしで集客するのは不可能だと思います。宣伝方法については、媒体ごと(インターネット、雑誌など)の費用と効果を書こうと思っています。

これを読んだ方は、意外と経費が掛かるなぁ・・・と思うでしょうか?
それとも案外そうでもないなぁ・・・と思うのでしょうか?
自分が住む家以外に部屋を借りてサロンを開業しようとすれば大体これくらいの費用が掛かると思って間違いありません。
大事なことは掛かる費用をきっちり売上で相殺しなければならないということです。もっと大事なことは、費用を相殺するだけの売上では利益ができません。利益が無いと言うことはあなた自身の報酬が無いと同じことです。
1ヶ月頑張って働いて、家賃と経費を支払って手元には何も残らず、結局、貯金を切り崩して生活するなんて長続きしません。

仮定として、利益150,000円を目標としましょう。この場合、必要経費の127,000円と利益の150,000円の合計277,000円が売上目標です。
平均客単価を7,500円と仮定します。
(※平均客単価はサロンそれぞれメニュー単価によって異なります。あくまで目安です)

277,000円 ÷ 7,500円 ≒ 37人

ということで1ヶ月37人の来客数があれば実現できる数値です。月間の稼動日数を20日とすれば、
37 ÷ 20 ≒ 1.8人
1日あたり2人弱の来店で十分経営が成り立ちます。

どうですか?目標は1日2名のお客様!希望が持てる目標でしょうか?
私なり結論としてプライベート癒しサロンは、最低でも1日2人の集客が確保できないと安定的なサロン運営はできないと考えます。
そしてこの1日2名という数値が実に高い壁でもあるのです。

最初に書きましたが、勢いで始める前に、きちんと目標を立てて、現実的なビジネスプランを持った上でサロンを始めましょう。始めてから考えるのでは手遅れになる場合があります。
何事も準備が必要です。しっかりした計画があるのであれば、後はちょっとした勇気があれば大丈夫です。

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